「PPAP」商標問題に見る商標に関する注意点

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    「PPAP」の商標が、第三者であるベストライセンス社が出願し、エイベックスに対して警告書を送ったことで、話題になっています。

    ベストライセンス社の代表者の「上田育弘」氏は、有名な名称を出願料を払わずに、かたっぱしから出願するので有名な人物です。

    そして、法の不備をついて、本来出願人となるべき企業や人に権利の買い取りを迫る警告書を送りつけ、売却益を得るといビジネスを行っています。

    いわば、トレードマークトロールですね。

    法の不備とは、

    1.出願料を払わなくても、6ヶ月程度は、出願の状態が維持されること

    2.現行の法制上、「とにかく最も早く出願したもの」が商標権を取得できること

    です。

    このような事態をいつまでも放置させるわけにいかないので、早急なルールの改正、運用の変更が待たれる訳ですが、

    この方、残念なことに、元弁理士なんです。。。

    元とはいえ、弁理士の品位を下げているので、私を含む、まっとうな大勢の弁理士は、大変迷惑しています。。。

    今回のケースでは、エイベックスは、少し困ったことになるかもしれません。
    というのは、ベストライセンス社の出願の時点(昨年の10月)において、PPAPは商品あるいはサービスに付されたマークとして機能していたとは思えないので、出願料さえ払えば、ベストライセンス社がPPAPの商標権を取得する可能性があるからです。
    しかし、仮にベストライセンス社が商標権を取得できたとしても、

     

    (1)エイベックスの商品名、サービス名にPPAPが付与した場合に、その商品またはサービスが、ベストライセンス社の商標出願の商品またはサービスと非類似であれは、商標権侵害になりません。

    (2)またPPAP自体が、商品またはサービスを識別するためのものでない限りは、商標的使用態様に該当せず、商標権侵害になりません。

    例えば、エイベックスが、PPAPを楽曲のタイトルとしてCDを販売した場合には、そもそも商標的使用態様に該当しない可能性が高く、その場合、商標権侵害になりません。

     

    今回のことで、企業の経営者、特にベンチャー、スタートアップの経営者に理解してもらいたいのは、特許もそうですが、

    商標もいち早く出願したもの勝ち

    なんです。

     

    「自分で商標を思いついた」とか、

    「一番先に使い始めた」だけでは、法的に “なんの権利もない状態” なんです。

    周知になったら、守ってもらえる可能性もありますが、その場合は「周知であること」の客観的な証拠がたくさん必要です。

    “自称有名”ではダメなんです。

     

    「著作権法違反じゃないの?」という人もいるかもしれませんが、

    PPAPのような短い文字は、著作権の保護対象とする「思想又は感情を創作的に表現したもの」に該当せず、著作権が発生しているといえません。

    よって、ベストライセンス社を著作権法違反で訴えることはできないのです。

     

    こんな先取り出願に対抗するには、

    自分が使用する、あるいは使用を予定する商標を、

    誰よりもいち早く出願すること、

    しかありません!

    これだけは、覚えておいて下さい!

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